には、彼はあたかも古い考え方を依然として抱いているようにみえましたね。
しかし日本の若い世代の大多数は、三には賛成しませんでした。
三島の行為はあまリにラディカル過ぎると思ったのですか。例えば自分のファシス卜的な私的「軍隊」をつくったことのように。
私は三島事件を愛国心との関係で取りあげるのは適切だとは思いません。三島の事件を、日本人の愛国心を代表するものだと考えるのは正しくありません。あれは、愛国心の問題ではなくて、三岛の美学の問題なのです。ですから、それをここで謎論するのは適切だとは思いません。
権威主義的な独裁制によって洗脳されたお隣yの若い世代と、自由に行動できる民主社会の中で育った日本の若者連との間の関係は、今後どのように展開して行くとみていらっしゃいますか。
中国社会の型は、もっと穏健なものに変わって行くと思います。例えば、ソ連をとってみましょう、四、五十 年前に比べて、ソ連社会の内部条件は、かなり変わりま した。中華人民共和国の歴史はソ連の歴史に比べれば、まだ短いのですが、今後十年あるいは二十年のうちに、 中国の条件や事情が変わって、もっと穏健なものになる でしょう。
未来学者のハーマン・力ーン〔本書第一卷対談46參照〕は、日本が美しい庭になる日がくるだろう、と信じて います。
ご承知のとおり、 私もまた基本的には楽観主義者です。しかしそれにもかかわらず、ハーマン・力ーンの見解には日本人の気持が入っていない、と感じます。
日本という木の本当の根を摑み得なかPたということですか。
ヵーンは、西欧流の論理に引っ張られ過ぎていると思 います。例えば、彼がGNPの評価について語る時、何が言いたいのか明らかではありません。彼はGNPが繁栄の象徴だと言いたいのでしょうか。しかし結局のところGNPは繁栄の一つの指標にすぎません。われわれ日