すます高まっています。オルランド・ガィセル将軍の新政権は、この政策を推進しようとしているかのように思 われます。
そうですか。ところで、あなたは、アィヴ7ン・ィリック氏〔本書第一卷対談32参照〕が言うように、人類は限られた世界に住んでいるのだから、『成長の限界』の事実に合わせた生活をして行くだろうとお考えてすか。また、経済成長にははっきリした限度があるということを、ラテン・アメリカの人達は気づき始めて いるてしょうか。
残念ながら、まだ『成長の限界』は少数の知識人の関心事であるにすぎません。しかし、そうは言ってもこの研究は政策決定者達に影響を与え始めています。その意味で、以前の無責任な人口政策は変化しつつあります。若干の政治指導者は、人口の過度な急増と、この人口の生活保障をして行くことの困難さとの間の相関関係を認識し始めています。その最好例が今日のメキシコです。この国は人口の拡大しつつある国であって、年三バーセント以上の人口増加率ですから相当なものです。しかし、メキシコは人口問
題を意識するようになってきたので、今後は積極的な人口計画をやって行こうとしています。
教会の圧力があっても......
教会の圧力があってもです。ご存知のょうに、メキシコでは何事でも教会の圧力にもかかわらずやってきております。これはメキシコ特有のことではありません。特にメキシコでは、他のラテン・アメリカ諸国とは異なって、教会はまだ非常に保守的です。エチェベリア大統領〔本書対談15参照〕は、社会的諸問題に、メキシコ国民の生活水準を向上させることに、深い関心をお持ちの人ですから、現政府は急增する人口を抑制するための必要な政策を実施しょうとしています。
ルネ・デュモン氏は、持てる人々、豊かな国々では市民的・道徳的価値理念の成長が必要だと言っていますが、これにご賛同なさいますか。
デュモン氏の本を全部読んだわけではありませんが、キューバに関するものは読んでいます。彼は社会学者であり、かつ農業問題の専門家でもあります。彼はキューパについてニ冊の本を書いています。最初に書いた本は、