は一九二〇年代のイタリア、三〇年代のドイツで起きたことだ。なんといっても、アメリカでフランクリン・ルーズベルトを政権につけ、二ューディールの改革をもたらしたのと同じ大恐慌が、ドイツではヒトラーを総統にし、第二次大戦を招いたのである、確かに、われわれとしては資本主義との歴史的競争に勝ちたい、しかし、放射能の瓦礫の上で勝利を祝いたいとは思わない。
- アメリカ側のある数字によると、社会主義の政府が支配する領域は世界の三九%に及び、
全人口の四二%がマルクス主義思想を信奉しているという。
A これらの数字には若干修正の余地があるかもしれないが,社会主義と共産主義がいまや地球上のかなり広範な地域で、生活の基礎をなしていることは明らかだ。
- カーター前大統領はアナポリスでの演説で、共産主義が「ほかの国々にとって、マルクス・レーニン主義の色合いを帯びた国々にとってさえ、ますます魅力を失っている」と指摘したし、レーガン大統領も、共産主義の終わりが見えはじめた、と述べているが、こうした発言をどう説明するか。
A われわれの解釈では、そうした発言はホワイトハウスの希望的観測にすぎない。さっきあなたが引用した数字もこうした見方を覆し、世界の発展の原動力が資本主義の手から離れていることをはっきり示している。
- ポーランドの出来事が社会主義に対するそうした見方を助けていると思うか。
A いや思わない。どんな体制でも過ちを犯さず困難にも直面しないですむ保証はない。資本主義ももちろん、この点で例外ではない。さらに複雑な社会的、政治的任務に取り組む社会主義の場合も同じだ。当然のことだが、歴史的過程も、革命も順調に発展することはありえない。社会主義諸国にも失敗はある。しかし、世界の出来事を全体として客観的に分析すればわかることだが、アメリカの大