いうィデオロギーは抱き続けてはいるものの、人々はいまや経済大国、特に日本において、必要となるであろうところの新しい生活様式、新しい展望、新しい文化的、経済的方向づけを求めるようになってきています。
私が今回の会議へ出席した大きな理由の一つは、あれから六年後の今日、日本が例えば次のような問題に対してどのような反応を示すかを知りたいということでした。すなわち、日本人は『成長の限界』から、当面の適切な結論として何を引き出しているのであろうか、日本人はその成長に歯止めをかけるつもりはあるのであろうか、あるいはいかなる制限も加えることなしに成長を無限に拡大し統けるつもりなのであろうか、日本人は自国本土よりはるかに広い地域に埋蔵されている天然资源をコントロールするための努力を
払うつもりはあるのであろうか、といったような問題がそれです。
日本の帝国主義が再び愎活したのではないかということですか。
古い意味での帝国主義ということではありません。しかし経済的な意味では、おそらくそう言えるでしよう。
例えば、公害を輸出しているとか、ィンドネシア水域に出漁させて、この水域の漁業資源を根こそぎにしているとか。
ローマ・クラブの主催で開かれているこの東京会議の議論を通じて特に強調されていることは、ローマ・クラブやMITの研究で開発されたこの理論的、実際的技法、すなわちJ・W・フォレスター〔本書第一卷対淡34参照〕教授の開発したシステム・ダィナミックスにょる分祈とその予測とが第三世界の問題研究にも大いに活用されるべきだということです。これはほんとうに強力な技法であり、しかも、研究のための強力な道具となるばかりでなく、研究結果を表示する上でもいくつかの本質的なメリットを持っているのです。また研
究者にこれまで得られなかった選択肢を開いてくれます。したがって科学のおかげで開発されたこの有効なテクニックを、発展途上囯の緊急問題の解決に充分に役立てて行くべきだというのが、私の腹蔵ない考えです。
たぶん、第三世界における特殊な問題としてわれわれが語っているものは、もはや第三世界の問題ではありません。それは実際には全人類の問題だというのが私の個