今のところ、日本は、ソ連との間には、アメリカと結 んでいるような双務協定は締結していません。ソ連の宇 宙科学者との宇宙関係情報の交換は、主としてCOSP AR (国際宇宙空間研究委員会)やISTS (宇宙技術 および科学の国際シンポジゥム)のような国際的活動へ の参加を通じて行なわれています。
日本の宇宙開発事業団は目下のところ例えばNロケ ット、つまリ三段式のN型打ち上げの開発中ですね。 その目的はいわゆる技術試験用衛星の打ち上げを助け るところにあると聞いています。 一九七三年度の日本 の宇宙開発予算はー億四千万ドルを超えてはいません が、このことは、日本の宇宙科学者達は、依然として 宇宙開発の平和的利用にのみ取リ組んでいることを示 すものでしようか。
そうです。わが国の宇宙科学者逹は全て、宇宙開発の 平和的な利用にのみたずさわつています。
それにもかかわらず、日本が宇宙に関して持つ専鬥 知嫌をもってすれば、宇宙の軍事的利用に転換するこ とは容易ではないでしょうか。日本列島の防衛や領空の防衛は全てアメリカの超近代的な兵器によってのみ なされているのでしょうか。それとも現在では日本は その一部を、自らの手で行なっているのでしょうか。
私どもの宇宙に関する専門知雄を軍事的利用に転換す る計画は、全くありません。
ー九七五年になって日本の宇宙開発活動が全面的に 進行し始める時、充分な数の科学者の訓練養成は終わ ゥているでしょうか。学生逢の間での宇宙開発への関 心は充分であり、また増大していますか。今日の若者 達は、地上のことがら、社会科学や心理学や能の研究 などに、よリ多く関心を持つ傾向が出ているようにみ えますが。
日本の訓練済みの宇宙科学者の数は年々増加していま す。 一九七五年までには、その数は完全に充分なものに はなっていないかもしれませんが、それほど遠くない将 来に、わが国の宇宙開発計画の完全実施に必要とされる だけの人間は賄えるようになるでしょう。今日の若い学 生の一般の関心事についてのあなたのお考えは正しいか もしれませんが、宇宙開発への関心もまた高く、増大も